紙芝居

「埋められていた聖書」制作にあたって・用い方

制作にあたって:聖書は「本の中の本」とも言われ、神のことばです。「神のことばは生きていて人のたましいを救う」と聖書は言っています。この紙芝居のお話は、16世紀にフランダース(フランドル)地方で迫害を受け、殺された家族が土の中に埋めた聖書を、300年後の19世紀半ば、ある家族が土の中から発見し、この家族は、その本・聖書を読み、その真理を知って、主イエス・キリストの十字架による救いをいただき人生が変えられていきました。この話は、「神の言葉は決して消え去ることがないという真実をも伝えています。
 私どもは、このお話を40年ほど前からレコードで聴き子育ての中でも味わってまいりました、この話と歌を通して、聖書のすばらしさ、主の救いの恵みをなんとか今の時代の方々、子ども達にも知っていただきたいという願いが与えられ、紙芝居の制作に導かれました。
 この紙芝居の原作はドイツの「聖書・本の中の本」というレコードで、1966年、ピーター・ファン・ウールデン氏が実話から脚色し、ドイツの子どもたちと共に録音、制作したものです。レコードには11曲の聖書に関する賛美歌と2つのお話が収められていました。1976年、このレコードは「ふしぎなおくりもの」のタイトルでいのちのことば社から制作、発売されました。その日本語版制作にあたっては、ドイツ教会カントールを辞して帰国された故・岳藤豪希氏(エヴァンゲリウム・カントライ創立、主宰者)が訳ならびに合唱指揮を担当されました。
 この紙芝居の原作はドイツの「聖書・本の中の本」というレコードで、1966年、ピーター・ファン・ウールデン氏が実話から脚色し、ドイツの子どもたちと共に録音、制作したものです。レコードには11曲の聖書に関する賛美歌と2つのお話が収められていました。1976年、このレコードは「ふしぎなおくりもの」のタイトルでいのちのことば社から制作、発売されました。その日本語版制作にあたっては、ドイツ教会カントールを辞して帰国された故・岳藤豪希氏(エヴァンゲリウム・カントライ創立、主宰者)が訳ならびに合唱指揮を担当されました。
 この紙芝居を上演するにあたっての用い方:紙芝居を読む前に、是非とも同封の賛美歌から何曲かを、観客の方々と共に歌っていただき、それから紙芝居を始めるようお勧めします。紙芝居の途中、また最後にも観客が共に賛美歌を歌うことで、聖書についての深い理解へとつながることが、オリジナルレコード製作者の意図しているところです。
 ピーター・ファン・ウールデン氏(1924~90)は、ナチスドイツにより迫害を受けたユダヤ人をかくまったクリスチャン姉妹を描いた映画「隠れ家」のモデル、コーリー・テンブームさんの甥で、ウールデン氏自身も同じ日に捕らえられた経験をもっています。ウールデン氏はドイツを中心に、子どものための聖書のお話と賛美歌のレコード制作など幅広く活躍し、子どもたちに「ピーターおじさん」としてとても親しまれていました。
(この紙芝居は「聖書新改訳2017」のみことばを使用しました)

*紙芝居制作のため次の方々のご了解・ご協力をいただきましたことを心より感謝申し上げます。
岳藤照子師(豪希師夫人)  ダニーロ・ファン・ウールデンさん(ピーターさんの子息)
茅場 玲師  新日本聖書刊行会(許諾番号4-2-715号)
遠藤勝信師  嵐 時雄師  本澤敬子師  国井昌光さん 吉川正浩さん
みことばの歌再版委員会:飯島千雍子師 藤井 斉さん
                               紙芝居制作:ハイジ音楽・文化研究所

「聖書」「異端者」ということばの取り扱いについて

1966年ドイツ、ゲースメディア制作のレコード「Die Bibel ,Der Buch dasBucher」=「聖書・本の中の本」では、実話に基づき脚本を書いたウールデン氏によって、日本語の「本」「聖書」にあたる言葉「Bibel」「Buch(その複数形)」が場面によって様々に用いられています。また「Biblia」という語も用いられている箇所もあります。 日本での出版レコード「ふしぎなおくりもの」においては、岳藤豪希師が判断されて、それぞれ「聖書」にあたる言葉が和訳されています。
このたびの紙芝居制作にあたってレコードの脚本をある程度短く編集する必要に迫られました。それに伴いセリフも多少編集させていただいた箇所もあり、上記のドイツ語の言葉を状況に応じて「本」「本・聖書」「聖書」と言い分けて用いました。
その判断には、下記の情報に基づき、当時の人がどのような聖書を手にし読んだのかを推測しました、またドイツ版レコードの音源を参考にして「Bibel」や「Buch」や「Biblia」などそれぞれに言い分けられている言葉をなるべくそのまま使用したい、という思いと、この紙芝居を見る方々にとってわかりやすく伝わる内容としたい、との思いとを併せて判断し編集しました。聖書について専門知識があるわけではない者ですが、いくつかの資料に巡り合ったことと、皆様のご助言をいただきましたことを、神にそして皆様に心より感謝しております。

ルターが宗教改革直後1522年に初めてのドイツ語訳聖書「9月聖書」を出版したときは、新約聖書のみであったためもあり、本の表紙は「Das Neue Testamend Deutsch」という飾り文字、あとは印刷所の場所が記されてあるだけで、ルターの名前すらないものでした。
 しかしその後ルター自身が改訂を進め、いくつかの聖書が出されましたが、例えば1534年出版の聖書は旧新両約の聖書でその表紙には「BIBLIA/ Das ist/ Die ganze HeiligeSchrifft Deudsch」(ビブリア/これはドイツ語旧新約の聖書)と記され、ほかにルターの略名、印刷所の場所、印刷年その他が記されてあります。因みに現在の一般的ドイツ語聖書の表紙は「DIE BIBEL oder die ganze HEILIGE SCHRIFT」です。
 実話がもとであるこの紙芝居の中で1850年に家族が発見した聖書は、おそらく宗教改革後1550年頃のスペイン皇帝によるプロテスタントへの厳しい迫害の際に家の庭に埋められたドイツ語聖書と思われ、ドイツ語版レコードの中でも「Biblia!」というセリフ何か所か用いられていることから、土の中から見つかった聖書は1534年の聖書のような、「Biblia(当時のラテン語で聖書という固有名詞)」と表紙に書かれていたもので、これを発見した家族がいつも読んでいたと考えるのが、自然であるとの判断に立っております。今後、主の導きでこの判断の中の誤りを示されるかと思いますが、とりあえずご理解をお願いいたします。(参考として、この話が実話である証拠として、紙芝居では触れておりませんが、レコード「ふしぎなおくりもの」A面の後半で、この埋められていた聖書の実物がファン・デン・ブリンク牧師の娘さんに受け継がれ、それが後にドイツの教会の牧師にゆだねられている、というところまで語られております。現在もいずれかの地でこの聖書が保存されているならどのような聖書であったかを知りたいと願い、調査中です。)
もう一点、「異端者」ということばについても、引き続きお読みいただければ幸いです。

「異端者」ということばの使用について

紙芝居の中で商人が訪ねてきて言う言葉「異端者」は子どもたちのみならず、大人でも耳にしたとき違和感があり脚本の中での使用を躊躇したことばです。
紙芝居の最終校正の段階でこの言葉について確認をしました。あらためてドイツ版レコードのナレーションを聞くと「Ketzer (ケツァー)」という単語であるとわかり、その意味は「異端者」ということでした。ことば社のレコードで岳藤豪希師はこれを「異教徒」と訳されておられます。「異端者」よりはことばが柔らかくまた初めて聞く人にも理解し易いと、先生はこのことばを用いられたかもしれません。因みに「異教徒」はドイツ語で「Heide」であって「異端者」とは意味が異なり「異邦人」に近いことばとなります。
 私どもは最終的に、敢えて「異端者」を使うことにいたしました。ドイツ版レコードを子どもたちのために制作したピーターさんが用いられたこのことばの重みを受け止めようと思っております。

 広島の原爆資料館で今まで展示されてきた資料:「原爆投下時の被爆者の姿を再現した人形」が、このたび資料館を新しくするにあたり撤去されたとのことです、ニュース映像で見てもそれは息をのむ悲惨さでした。撤去の理由は、子どもたちが見て衝撃が強く問題だ、という理由以上に、なんと!被爆者の方々からの強い希望で「その人形で表されている姿は、当時の被爆した時の状況や姿を表すには足りない、もっともっと悲惨なものであったから」というのが一番の理由だそうです。

 私たちは内外のキリスト教迫害の歴史の上に立って今を生かされています。そこに生きた信仰者の方々のきびしい現実を、想像の中で軽くしてしまうことのないよう、ナチス迫害を経験したピーター・ウールデンさんにもそのような思いがあったかも知れないと感じつつ、当時この「異端者」と呼ばれながらも信仰を貫いた人々とそこに働かれた神の御力とあわれみに感謝したいと思います。 実際に紙芝居上演に際しては、どうぞ皆様それぞれの状況に合わせてことばを選んで上演していただくなどご判断をお任せいたします。

紙芝居を上演される皆様へ

2019年 秋
ハイジ音楽・文化研究所  齊藤廣行、文子